このモンゴル遠征は大きな想いがありました。
東日本大震災後、子育て、仕事、スポーツ活動を行う上で、様々な葛藤がありました。震災当日は、職場も大きく倒壊し「生死の危機一髪」も。
その直後には、原発問題(放射能)の不安を抱えての子育て。
現在、震災から2年半を迎えましたが、原発問題(放射能)による、農林水産業、観光業、教育、スポーツなど様々な分野の風評被害、並びにいまだ終息に至らない原発問題を目の当たりにすると心が痛む日々が続きます。
私自身、いつも元気いっぱいのようでも、将来に対しても大きな不安を抱えていることは隠しきれません。
しかしながら、これから先、福島県を舞台に、子育て、仕事、スポーツ活動を行っていく以上、数十年と続く、この問題と向き合っていかなければなりません。
子育て、仕事の面においては、先の見えない困難を乗り越えるだけの強いメンタルが必要とされるであろうと、震災後から現在に至るまで、自問自答する日々が続いていました。
そこで、今レースに参戦するコンセプト。
日常では考えられないような、物事への 「挑戦」、険しい環境に「挑戦する」ことにより、自身の将来に対する不安を打破、払拭したい強い思いがありました。
また、その「挑戦」する姿を地元紙(福島民友新聞・福島民報新聞)で取り上げていただけたことにより、福島県人のみなさまが震災からの復興に向けた、一歩を踏み出す「勇気」と「元気」の一助になればとの思いも抱いております。
教育機関で働く者として、何歳になっても、どんな状況下でも、「夢」をあきらめず追いかけること、「挑戦」することの大切さを、次世代を担う若人に伝えたいとの思いも抱きながら。
「トレイルランニング」と言うアウトドアスポーツは、ダイナミックな大自然の中を「走る」という、非日常的な空間に身を置くことにより、雄大な山並み、動植物の躍動を肌で感じ、心身が癒されるという健康増進的な魅力も多々感じられますが、大自然の躍動と向き合い、まだ見ぬ世界へ向かって「前へ進む」という、メンタル的な部分でも大きなプラスの効果もあると感じております。
今の福島県で生活をする上で、この「前へ進む」という、一歩を踏み出す「挑戦」は大切なことではないかと日々感じておりました。
世界中を見渡せば、国内外いろんな過酷なレースがある。
ライフスタイルのスケジュールを縫った中で、今、私が挑戦できたのがこのモンゴルのレース。
この挑戦が、いろんな意味でのスタートだと思っています。この挑戦が、未来への一歩。
父親としてもビジネスマンとしてもアスリートとしても。
モンゴルの大地での非常に過酷な自然環境下でのステージレースではありましたが、果てしなく続く、遥か遠くの地平線へ向かって大地をただ走るだけではありませんでした。
雄大な草原地帯、山岳地帯、動物たちの躍動感を全身で感じながら足を進めました。
そして、夜は宇宙に居るかのような星空を見上げた日も。
土砂降りの心細い夜もありましたが、翌日には、必ず朝がやってくる。必ず太陽が昇りました。
明日(明るい日)は必ずやってくる。
未来は、きっと明るい。
そう心に唱えながら走り続けた6日間でもありました。
この挑戦に至ってはたくさんのご理解とご協力をいただいたおります。
家族、職場のみなさま、そしてスポンサー企業各社はじめ、多くのみなさまから激励のお言葉とお気持ちをちょうだいしております。
この挑戦を、自己満足だけでは終わらせたくない。
必ず未来につなげる経験値にしたい。
そんな思いを抱いております。
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