GIRI GIRI BOYS

天野和明(あまのかずあき)
1977年生まれ
明治大学卒
2008年 カランカ北壁(6931m)登頂
 ピオレドール・アジア受賞 2009年  スパンティーク(7027m)ゴールデンピラー英国ルート第2登
 ピオレドール受賞

一村文隆(いちむらふみたか)
1977年生まれ
2008年 アラスカ ベアーズトゥース北東壁初登
 デナリ・アイシスフェース~ランペルート下降~デナリ南壁 継続登攀
 カランカ北壁(6931m) 登頂
 ピオレドール・アジア受賞
2009年 タウチェ北壁(6542m)登頂
 ピオレドール受賞

佐藤祐介(さとうゆうすけ)
1979年生まれ
金沢工業大学卒
2008年 正月黒部横断(鹿島岳~黒部川十字峡横断~剣沢~トサカ尾根~別山~三ノ窓雪渓~剱岳)
 アラスカ ベアーズトゥース北東壁初登
 デナリ・アイシスフェース~ランペルート下降~デナリ南壁 継続登攀
 カランカ北壁(6931m) 登頂
 ピオレドール・アジア受賞
2009年 スパンティーク(7027m)ゴールデンピラー英国ルート第2登
 ピオレドール受賞
2010年 城ヶ崎「マーズ」(5.14a)第2登

「ヒマラヤ アルパインスタイル 苦しみの芸術」3

ピオレドール受賞について

ピオレドール
ピオレドールを受賞した佐藤祐介、平出和也、一人おいて谷口けい、天野和明

天野:ぼくらはカランカ北壁に登ることができ、それが評価されて去年にはソウルでピオレドール・アジアという賞をいただくことができました。今年はフランスで本家ピオレドールにノミネートされ、ぼくと祐介が行ってきたのですが、結果として賞をいただくことができました。二人はアラスカとカランカでダブルノミネートされて、アラスカはもらえなくてカランカはもらえたわけですが、それについて思うことは?

佐藤:アルパインクライミングの良さというのは、コンペみたいなもので決めるのは難しいし、意味がないことです。ぼくが2008年にやった登山では、アラスカとカランカ、それと正月の黒部横断もすごく大きな山行で、どれが一番良いかと決められないです。カランカが一番良かったというわけではないですが、ピオレドールではカランカが一番良かったということになるわけです。そういった矛盾を抱えながら審査され、受賞受けるということになるのはしょうがないのかなと。ピオレドールは1位を決めるということにはならなくて、複数隊を賞に選びました。でも、賞自体よりもいろいろなクライマーと会えたし、一緒に登ることもできました。そういう機会を与えてもらって、自分の世界を広げることができて良かったと素直に思っています。

一村:今回のピオレドールは不本意だったので行きませんでした。カランカの場合、正面ダイレクトを登ろうとして行ったのに登れず、右を巻いてしまったのが不本意だという一番の理由です。それに過去のピオレドールでノミネートされた隊の記録を見ると、ぼくらのアラスカもカランカも非常に劣っているので。隊として拒否するものではないので、ぼく個人としては拒否しました。

佐藤:いやぁ、始めて聞いた(笑 インドでだったか、「ピオレドールもらったぜ!」みたいなこと言って喜んでいたよね(笑

一村:はい、言ってました(爆笑

天野:ぼくも祐介が言ってたように、招待されて無料で行って、普段泊まれないようないいホテルに泊まれた。それ以上にワルテル・ボナッティやダグ・スコットなんて、神様みたいな存在の人たちと直接話せたのが楽しかったです。

佐藤:彼らと一緒にアルプスで登れたのは良かったです。

天野:ぼくらは登ったルートに「BUSHIDO(武士道)」という名前を付けたのですが、これはなんででしょうか

一村:ぼくは山登っている上で一番大切なのは魂だと思っているので、日本の魂を忘れるなと言う意味で付けてみました。

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