「ヒマラヤ アルパインスタイル 苦しみの芸術」 5
コンロを落としてしまい、大ピンチ
天野:結局登り続けて、最終日、もう少し行けば山頂というかその手前の平らなところに出られそうだったので、暗くなってもそこまで登ろうとしたのですが、朝3時半ごろまで登ったけれど、イッチーがロワーダウンしてきて、ここには座れる場所がなかったので、立ったまま2時間ぐらい休みました。この時に重大なミスが起きたんですね
一村:せっかく改造したコンロなんですが、なぜかバーナー部分が転がり落ちちゃったんです。あの時の祐介の反応が面白くて、絶対取れるはずないのに手をばっと出して拾おうとした姿勢を今でも覚えています。 佐藤:もう、信じられないみたいな 天野:ぼくは眠くて、ああ落ちたか…という感じで 佐藤:天野さんにどうするかよと言ったら、落ちた物はしょうがないなと。そういう感じでしたね。 天野:コッヘルは残っていたけれど、バーナーがなくなったので、ライターで溶かして水を作りました。 佐藤:ライターを1人1個持っていたので、3個使って100ccぐらい、口を湿らせるほどにしかならないけど、作りました。 天野:そのプラトーに出て頂上行かずに帰るという選択肢もあったけれど、そういう話は出なかったですか。 佐藤:バーナーを落とした時にどうしようかという話は出たけれど、ゴールデンピラー自体1000m以上ある壁なので、そこを懸垂下降するのは逆に時間がかかる。あとワンピッチだけ登ってプラトーについたら下るというのを、立ちながら話してました。最後プラトーに立ったら、天気いいから頂上行ってくるかという雰囲気になって。あれこそ危ないですね(笑 天野:コミュニケーションが取れてないですね(笑.1 .2 .3 .4 .5 .6 |