GIRI GIRI BOYSがカランカ北壁の初登に成功

PowerNaviがサポートするGIRI GIRI BOYSインドヒマラヤ登山隊2008(佐藤裕介、一村文驕A天野和明)が、インドヒマラヤ・ナンダデビ山郡カランカ北壁(6931m)のアルパインスタイルによる初登に成功し、無事に帰国しました。途中で嵐にぶつかり、5日間の予定が10日間となってしまい、食料不足で1日500kcalの食事しか摂れない過酷な状況に置かれましたが、全員が凍傷を負うこともなく登頂・下山することができました。
高所登山では徹底的に荷物を減らし、軽量化を目指すことから、食料も最低限に抑えなければなりません。純粋なアミノ酸であるBCAAは重量比において、きわめて効率よくたんぱく質を補給できるため、筋肉破壊を最低限に抑えることができたのではないかと思います。
以下に天野さんと佐藤さんからのメッセージを掲載します。

GIRI GIRI BOYS
 

天野和明さんからのメッセージ

GIRI GIRI BOYS
「カランカ北壁をBC〜BC11日間のアルパインスタイルで初登しました。
実5、予備1くらいの予定でしたが壁の上部で嵐につかまり、途中からは1食ビスケット1枚のみ、最後は固形物なしのスープ1杯を3人で回し飲みのみといった状況で脱出といった感じでベースにたどり着きました。
まあそうはいっても楽しく、これまでの成果が出せたクライミングでした。手、足、頭ともに無事です。
その代り、予定よりも大幅に消耗してしまったため、第2目標のチャンガバン北壁には手もつけずじまいでしたが・・・、満足いくクライミングでした。
連絡のつく最奥の村に下山した翌日早朝にチベットの事故の連絡を受けました。
今回の亡くなった3名とはいずれも遠征、登山をともにした仲間で、うち二人は石井スポーツの同僚でもあります。
当初はデリーから直接チベット入りの道を探りましたが、ビザ、入境許可、チケットの面でほぼ不可能に近いことがわかり、とりあえず体制を整えるべく日程を繰り上げて帰国したしだいです。
今後の予定はまだ未定ですが、状況が整い次第先発メンバーを追ってできるだけ早くチベット入りのつもりで調整を進めています。
おそらく荼毘に付されるまでには間に合わないですが、向こうでできることがあるそうなので」
 

佐藤裕介さんからのメッセージ

おかげさまで、第一目標のカランカ北壁は成功でした。
ありがとうございました。
未踏の北壁、ど真中に良いラインが引けて満足です。
前半は結構順調でしたが6600m地点にて悪天で4泊し、消耗。なんとか残り300mを登りきって氷河に降り立った時は白湯のみでした。
5日間の予定が10日間になり後半は一日500kcalの食事。
下山後、足の指先にかなり痺れがかなりあったので欲張って計画していたチャンガバンの再登は諦めました。
BCAAは、行動中の水分(3人で2リットルのスポーツドリンク)と停滞中に少しづつ飲みました。持参したBCAAはパーティーで50g位だと思います。
全体の摂取カロリーが余りに低かった為、筋肉まで破壊しながら10日間を凌いだ事は明らかですが出来るだけそれを食い止める役目を果たしてくれたと思います。ありがとうございました。

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以下、カランカ北壁の山行報告です。

カランカ北壁 「BUSHIDO」 M5+ 1800m
メンバー:佐藤裕介、一村文隆、天野和明
 
9月14日:BC-ABC移動
9月15日:ABC 5100m→6000m
氷雪壁、一部ミックス。テントの張れる場所がなく、いきなりハードな行動でほぼ24時間起きるはめに。結局、お座りオープンビバーク。眠い。2時半起床。2時就寝。
9月16日:6000m→6100m
コンテ中心氷雪のトラバース。今日もお座りオープンビバーク。
9月17日:6100m→6550m
崩れ出した天候。激しいスノーシャワーを浴びながらこの壁の核心部を登攀。9ピッチのミックス壁。バイルもクランポンも見えないほどのスノーシャワーが辛い。雪の降る中、ヘッドランプでビバーク地を求めクライミングを続けたが、星型の1畳ほどのテラスを切り出すのがやっと。底をあける事の出来るテントを強引に被って耐える。他人の足に抱きつきながらまどろむ夜。
9月18日:6550m→6600m⇔6700m
最低のビバークサイトから1ピッチ半でテントの張れそうな岩の基部を発見。上部を偵察してから、そこで幕営。テントの端は30cmが谷に落ち込み、幅も120cm程しかないが、この壁では最高のホテル。あおむけ禁止。寝返りは打てない。
9月19日:停滞
雪は降り続く。まわりの壁中が雪崩まくっている。
9月20日:停滞
雪。後半の食料はブランチがマッシュ20g、ビスケ1枚。夜は行動食90g。500kcal。
9月21日:停滞
雪。夕方晴れ間あり。
9月22日:6600m⇔ピーク6931m
出発するが、すぐに天候崩れ雪のチラつく中、上部へ。コンテで進む。トラバースも多く標高差たった300mを9時間かけて頂上へ。もう18時。このときの装備はロープ1本と少しのギア、3人で1つのウエストバックのみ。ヘッドランプをつけクライムダウンと懸垂下降を繰り返す。
9月23日:6931m→氷河
少々雪がちらつくが、ここ数日の中では最高の天気。岩角に捨て縄をセットしながら同ルートの懸垂下降を繰り返す。下部は、登りには使わなかったランペを懸垂とクライムダウン。雪崩が怖かった。氷河に降り立つが食料のデポがあるABC跡地には闇と霧で辿り着かず、白湯をすすって濡れたシュラフに包まる。
9月24日:氷河→BC
素晴らしい快晴の中、デポを1m程の雪から掘り起こす。大分しまっているので、1.5m程の降雪だったようだ。腹いっぱい食って出発するが3度も吐きながらノロノロ歩いた。大半の荷物もデポしなんとか19時半BC着。

アラスカより消耗が激しかったです。
いままでで、最も厳しい山行の一つになりました。

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