2008年10月20日(月)、PowerNavi BCAAの発売1周年を記念して『クライマーズ・ボディ』などの著書がある菊地敏之氏を講師に迎え、「クライマーズ・ボディの造り方」というタイトルで講演を開催しました。
今回、その講演の内容をダイジェストしてお送りします。
2008年11月15日公開
文・写真/土屋勝
クライミングガイドの菊地です。よろしくお願いします。今日はトレーニングとボディケア、そしてサプリメントその他栄養などについてお話しします。
クライミングのトレーニングで悩んでいて、どうやればいいか分からない人が非常に多いと思います。それに関しておしなべて私が思うに、皆さん負荷が高すぎます。
クライミングに限らず、最近重要視されているトレーニング方法は筋肉とか力とかではなく、神経なんです。運動神経というと持って生まれたもののように思えますが、これは実は外からの刺激、つまり運動の動きによって作り上げられるものだそうです。そういった意味で、神経系のトレーニングが今、スポーツの世界では非常に重要視されています。
ほかのスポーツをされている人はご存じでしょうが、最近ではウェイトトレーニングをやり、筋肉を付けてからというのは流行っていません。動きを覚えさせる中で、動きに応じた神経を発達させて、それに応じて力が後からついてくるというのが主流です。
例えばボルダリングで「ウェイトオフ」といって、後ろから支えて絶対に落ちないようにしてムーブを習得させる方法があります。後ろから支えてこうやって取るんだよ、身体をこうひねるんだよと教えます。体重の負荷のない状態で正しい動きを習得してから、だんだん補助を減らしていく。このようなトレーニング方法をやれば、クライミングの限界は5.16まで行くのではないかと私的には思います。
まず、神経系を鍛えよということです。『クライマーズ・ボディ』は42ページの「運動神経系の発達」というところにあるのですが、一般的な意味での運動神経ではなく、そのスキルに見合った神経系を発達させよと。いい動きをすればいい運動神経が発達するけど、悪い動きをすれば悪い運動神経が発達するのです。
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