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クライミングとボディケア

 ボディケアについて、どうしたらいいですかとよく質問を受けます。で、まず注意しなければならないのは、私らは医者じゃないということです。こういう本を読んで、うろ覚えの知識で自分が診断できるような気持ちになって、「どれどれ見せてごらん。お、こうなっているね」とやる人がいるじゃないですか。あれ、危険ですよ。必ず医者に診てもらってください。

医者選びは難しい

 でも医者選びは難しいですね。登山ガイドと同じで、いいのもいれば酷いのもいる(笑)。私自身も冬の谷川で膝を痛め、それをある医者は「なんともない」と言う。でもその2週間後に山にまた行ったら、本当にもう突き抜けるみたいな痛みになって、歩けなくて這って帰って、関東労災病院に行ったら、「今日中に手術しろ」と。膝の半月板と軟骨がぼろぼろになっていたという苦い経験がありました。

 というわけでお医者さんは選ばなきゃだめだけど、なかなか情報がないですね。

 指に関しては、先日、聖マリアンナ医科大病院に行ったら、意外といい先生がいて、「クライミングしてるんです」と言ったら、「ボルダリングしてるの?」なんて言う。知ってるんですよ、クライミングを。これは非常に心強く思いました。「いや、ボルダリングじゃないですけど」と言うと、「腱鞘炎が慢性化してるから、三か月間完全に休養しないとだめですよ。でもクライミングしてる人って、医者の注意聞かないよね」と(笑)

 そこで「徹底的にテーピングしなさい。ちょっとでも痛いと思ったらやめなさい」ということで、痛み止めの薬を貰って、非常に注意深くクライミングを続けて、4ヶ月くらいでだいぶ良くなりました。

アイシングは万能ではない

 急性のものと慢性化したものは、対処の仕方が違うこともあるので、それも注意しないとだめみたいです。素人判断だと慢性化したものは難しいと思いますね。ひとつ言われたのは、慢性化したものは原則アイシングはさせないそうです。温めなさいと言われました。急性のものはアイシングしないといけないけど、慢性化したのをアイシングしても意味ない、それで続けても悪化させるばっかりですよと。

肩甲骨のケアは大事

 肩に関して、私が行ったのは野球が専門のところです。プロの野球選手が大勢通っていて、有名なところでは千葉ロッテの黒木知宏なんかがいたようです。彼はインナーマッスルの強化で、3年間のブランクから治ったとテレビでもやってました。「インナーマッスル」の重要性を日本で初めて説いた、有名な先生のいる病院ですね(昭和大学リハビリテーション病院)。

 でもその先生はクライミングのことを知らないわけですよ。クライミングってどんなことやるのかと聞かれたので、DVDを見せました。そうしたらフランソワ・ルグランの動きを見て、「この選手は肩にいい動きしてる」と言ってました。上腕肩甲関節とその周囲のインナーマッスルに対して負荷がない動きをしているそうです。

 クライマーの皆さん、ここにいる皆さん全員そうだと思いますけど、肩甲骨の動きが絶対に正常じゃないはずです。特にボルダリングやってる方は、肩甲骨の動きがおかしくなっているはずです。巻き込み肩というのになっていて、肩関節に非常な負荷をかけている。これはまず、肩甲骨の動きをストレッチなどによって治さなければいけないんです。やってはいけない動きとかもいろいろあるから、個別にお医者さんの指導を仰いだほうがいいと思います。

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